転職活動の中で、求人募集企業に提出する書類には「履歴書」がありますが、最近では「職務経歴書」の提出も必須とする企業も増えています。初めて転職する方や、今までの転職活動の中で企業に提出を求められたことがない、など、書いたことが無い方も多いのではないでしょうか。
「職務経歴書」は、今まで働いてきた会社の名称だけを書く「履歴書」とは異なり、自分が行ってきた仕事の履歴を整理し、記述するものです。書き方次第では、採用担当者への強力な自己アピールが出来るツールになりますので、意識して作成しましょう。
1.「職務経歴書」の目的
企業の採用担当者は「職務経歴書」から、応募者がいままでどんな仕事をし、どんなふうに取り組み、どんな実績・成果を挙げてきたのか、どんな経験を積んできたのか、といったような具体的な仕事内容を確認します。そして自社の求める経験やスキルを持っているかを判断します。
応募者は「職務経歴書」を書くことにより、「履歴書」だけでは伝えきれない自分の職務経験や実績、スキル、知識などを採用担当者にアピールする事が出来ます。
また、今までの職務を振り返ることにより、自分の能力やアピールポイントなどを確認することが出来、面接に向けての対応も出来るようになります。
2.「職務経歴書」作成の基本ポイント
①職務経歴書は、A4サイズの白無地の用紙が基本です。1〜2枚程度にまとめましょう。
キャリアが長い場合だとしても、3枚程度が目安になります。
②履歴書などに比べ、文字数もページ数も多くなりますので、パソコンで横書きで作成するのが一般的です。
職務経歴書には決まったレイアウトがないので、自分で読みやすく作成することが出来ますし、書き損じにもすぐに対応できます。またパソコンスキルの判断材料にもなります。
なお、手書きでも差し支えはありません。手書き用の罫線入りの職務経歴書用紙も市販されています。
③冒頭部分の「タイトル(職務経歴書)」「氏名」「提出年月日」「職務経歴」は必須項目です。
履歴書とセットで提出していますが、それぞれが独立した文書なので、基本データは必須です。
日付は履歴書と同じ日付にして下さい。写真は必要ありません。
④応募する企業に合わせて修正しましょう。
職歴をただ羅列するだけでなく、応募する企業の求めているものに合わせて作成しましょう。
決まった書式が無いということは、今までの職歴や経験の中から、応募先企業で活かせるような職歴や経験を強調して記載することが出来ますし、自己アピールも自由に表現できます。
⑤読みやすく丁寧に作成しましょう。
伝えたいことをぎっしりと書き込んでしまっても、スカスカで白地が目立つようなものも、どちらもあまり印象がよくありません。
出来上がった職務経歴書は、採用担当者の立場で一度しっかりと読み返してみるか、第三者にチェックしてもらいましょう。
3.「職務経歴書」のフォーマット
職務経歴書には、職歴を時系列に整理して記載する「編年体式」「逆編年体式」と、職歴の中で適性や職務能力などアピール力の高い仕事内容ごとにまとめ強調して記載する事ができる「キャリア式」の大きく3つのフォーマットが使われています。
①編年体式
職歴を古いものから年代順に並べて記載していく方法で、もっとも一般的に使われています。
自分の経験や成長過程を伝えることが出来ます。
②逆編年体式
職歴を新しいものから遡って記載していきます。
直近の職務経験を、応募先企業で活かしたい場合などに、効果的にアピールできます。
③キャリア式
職歴を経験した職種やプロジェクト単位でまとめ、記載していく方法です。
業務内容を見出しとして書くため、経験した職務の内容を強調してアピールすることが出来る反面、時間的な流れはわかりづらくなるので、簡単に時系列でまとめたものを併記するといいでしょう。
4.「職務経歴書」の基本記載項目
①冒頭部分
・表題「職務経歴書」
・日付 提出日を記載します。
・氏名
・連絡先等 電話番号やEメールアドレス等を記載します
②職務経歴
フォーマットによって見出しにする項目は変わってきますが、以下の項目を記載します。
・時期(在籍期間や経験年数等)
・勤務先名称、所属部署、役職
・担当業務、業務内容、仕事内容
・実績や成果
・退職理由
③資格やスキル、学習歴
・保有している資格や免許、パソコンスキル、語学力などを記載します。
・資格として持っていなくても、応募職種に使えるような学習や訓練、研修受講歴などがあったら
それも記載しておきます。
④自己アピール
自分のヒューマンスキルがポイントです。
応募先の企業にアピールできる自分の強みを文章で記載します。
5.まとめ
以上が職務経歴書を書くための基本的な注意事項となります。
「職務経歴書」は、応募先企業にあなた自身を売り込むためのとても大切な書類です。
具体的な書き方や見本等は、「ハローワークインターネットサービス」のサイトからダウンロードすることが出来ます。ぜひ参考にして、効果的な「職務経歴書」を作成してください。